Japanese/English

Jan 2, 2009

小さな家での気づき













g86山道がコンペで大賞をとりました。素敵な作品です。
日新工業コンペ‘地球学校’ 大賞受賞!

渋谷の街の片隅に生える草むらに小さな家を置くことでそこに人間と自然の文字通り「縮図」を生み出して、見る人の思考を環境問題へと飛ばすという鮮やかな回答です。

家型と雑草がつくる緑豊かな小さな世界、ふとフォーカスを引くとその背後に荒んだ渋谷の街と片隅の雑草、人間と抑圧された自然との関係が浮かび上がる。
同じ雑草が同時に二つの演技をしているようで面白い。

はっとするようなスケールの齟齬による不思議な感覚って、おそらくその描かれたオブジェクトが現実のそれに近いもの、もしくは人の意識の中にある「原型」に近いものであればあるほど強くなるものだと思う。例えばロン・ミュエクを参照すれば分かりやすいけれど、あの場合人形を限りなくリアルにつくりこむことで造形上の主張が消えて、はじめてスケールの異常さがたち現れる。そういう点で住処の「原型」として白い家型を使ったのはうまいと思う。

まぁそれ以上に家型にしたのは表層的な表現を避けて、コンテンツじゃなくてシステムの方へ議論を持っていくためだろう。というより提案されたようなコンテンツ自体をシステムが生成していくシステムを設計した場合、コンテンツのデザインを直接すること自体ナンセンスか。システム、データベースとコンテンツの二層構造とかは東浩紀、ニコ動あたりのディスコースへの彼の興味、研究の賜物でしょうか。タイポライズは力技ですな。さすがです。家型からの派生の行方も見てみたくなります。


建築の設計ではなく、建築的な手法/言語を用いたシステムの設計が建築のコンペで一位をとる。

素敵です。



 

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