Japanese/English

May 10, 2009

additive inverse


フォーサイス週間最後の作品、additive inverseを潰してきた。ちなみに無料。

水槽のような囲いの中に充満したスモークに天井に設置された3つのプロジェクターからそれぞれ円が投射され、三本の柱が少しずつずれたような詩的な光の軌跡が浮かび上がる。サーペンタインでやっていたAnthony McCallを思い出す。

その横で糸を自分の体に巻きつかせ拘束させながら、かつそこから逃れようともがいている様にも見えるパフォーマンス。最初、糸が細いのでパントマイムかと思ってしまったが本当に糸を使っていた。体に絡まったいまにも切れそうな糸をたくみに操り、その制約との関係性がそのままダンスになっているようで、単なる恣意的なダンス表現とは一線を画している。知的。インスタレーションとパフォーマンスの関係はよく分からないけれども、幻想的な光の輪が何か天国のメタファーのように思える。



AAの図書館でフォーサイスの本を見つける。いかにフォーサイスの出自がクラシックバレーにあるかがよく分かった。昔のギエムとの作品なんかをyoutubeで見ると、もっと今よりクラシックバレーに近くていかにバレーを解体、再構築しているかが分かりやすい。形式の使い方とその関係性のずらし方がまじポストモダンだなと帰りのバスでヴェンチューリのナショナルギャラリーの横を通り過ぎながらふと思う。ただありえない体軸の傾きや超速スピードの振り付けといった形式の増幅ドライブが逆に身体性を炙り出しているところには、ポストモダン建築的な単なる記号的転用とは違う正統性も感じられる。ビバ脱構築。現在のフォーサイスもかなり完成度マックスの洗練されたものだったが、90年代のフランクフルト時代の作品をタイムリーに見ていたらきっと殺傷能力抜群だったろう。


そして会場に馬鹿でかいスタイロ忘れる、まじフォーサイス。




 

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